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灰を洗う(あく抜き)
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「お茶の灰を作る」の各ページ
※ここに掲載する灰の手入方法は、私の手入方法ですのでご参考程度にご覧いただけましたら幸いです。
【 灰のこと 】 【 灰を洗う 】
あくぬき
【 炉灰・しめし灰 】 【 風炉灰 】

まずは灰を洗ってあくぬきです
私は灰を洗ったり、篩ったり、しめし灰を作るのは主に夏です。
猛暑の頃ですと、早く乾いて良いです。ただ、作業はとても大変ですね!水を飲みながら、がんばりましょう!
灰に手を掛けると全然違うものに変わってきます。また、茶事・茶会の折には、ご亭主の灰も気になると思います

【 灰を洗う・あくぬき 】

【あくぬき】とは灰の水洗いのことで、灰に混入されている燃えカスなどのゴミ類の除去が目的です。
◇あくぬきの手順 ①【灰を篩う】 ②【灰を洗う】 ③【灰を干す】 です

①【 灰を篩う 】
シーズン使用した灰には、炭の燃えカスや枝炭カスなどが、窯取りの生灰には、窯内の焼成カス等が灰に入っていますので、まず大きなゴミを取るため、灰を篩います。初め炉灰くらいの30目、40目ほどの篩いを使い、大粒のカスを除去します。
※市販品の並(炉/風炉)灰は篩ってありますので、すぐに洗っても良いです
※【風炉灰】を作るなら、更に40目、60目ほどまでの細かい目の篩いでふるってから、【灰を洗う】乾燥させ篩う時の段取りが早いと思います。(洗って乾かしてから篩うのはとても手間が掛大変です!)
私は30メッシュ篩いで灰を篩い大きなカスをとります。
・初めて洗う生灰は炭窯の石や炭カスを取り除きます
・シーズン使用した灰は枝炭のカス、炭のカスが入っています。※このとき灰が固まった粒は捨てないようにしています。捨てるのは枝炭と炭カスだけです
一見きれいに見えても案外ゴミはあります。
シーズン使用した灰からは、特に枝炭の白いカスはよく取り除きます。

②【 灰を洗う(水洗い) 】
灰を水に通して洗います。灰を水で晒し⇒アクを浮かせ⇒流しとる、の繰り返しです。
篩った灰を樽などに入れて、水を入れて混ぜます
はじめはブクブクと炭カス等を含んだ泡が浮かびあがってきます。これが灰汁(アク)です。
←初めの頃の灰汁(アク)
ブクブクと気味悪いくらいですよ・笑
初めのアクは炭カス等がとても多いので、すぐに泡だけをシャワー等で流してしまいます。
リトマス試験紙の酸性/アルカリ性テスト
赤紙が青変、青紙が無変は、アルカリ性です!
アクは、強アルカリ性です
素手はご注意ください!

※ご注意 アクは石鹸と同じアルカリ性です。素手でかき混ぜると手がヌルヌルとしますが、これは、手の表皮が溶けているからです。かなり肌荒れをしますので、手袋着用か木べらなどの使用をおすすめいたします!
※私は画像の攪拌器を使っております
水を入れ⇒混ぜ⇒しばらく置いて上澄みを流す
を繰り返します。
※私は2、3度洗い流したら、次に30メッシュの網でアクを掬い取ってしまっています
洗い流し繰り返しますと、残留の炭カスがずいぶん少なくなりました♪
この細かいカスがたくさん入っています
【水洗い】、【あく流し】を繰り返します。
5回程繰り返すとゴミが無く、透明できれいな上澄み液になってきます。
 
灰に水を入れて掻き混ぜた後の待ち時間は、水にとけている灰の状況で変わりますが、最後の頃は半日~1日置います。長く置きますと不思議と灰がしまって来ます。
※あく抜きは1日では終わらないと思います。2、3日かけるおつもりにて

ゴミも無くなり上澄液が透明になってきました。そろそろ干しましょう。
最後に上澄みを流して、次は天日干しです!

③【灰を干す】天日干し♪
 上記で洗った灰をムシロなどに延ばし、天日で乾かすのですが、いきなりムシロにひろげると!
←左の様に灰も流れてしまいますので気をつけてください。涙ものでもありますので、四隅をあげながら丁寧にいたしましょう。

 そこで!ムシロに広げる前に、「水切り」のひと手間をいれてみました。
◇改良版
 プラスチックの買い物カゴに化繊の風呂敷をかぶせ、タルの上澄みを流した灰を入れます。
 左画像は、買物カゴに化繊の風呂敷をかけて、洗った灰を流し入れ水切りしている様子です。
化繊の風呂敷は、水が程よく切れてGoodです。
・買物カゴは、ホームセンターに売っています。
・化繊の風呂敷はデパートの呉服売場などで1,000円ほどで調達できます

 1、2日ほど水が落ちるのを待ち、これをムシロにのばせば程よく水気が切れていて都合が良く、灰を干す時間を短縮できます。これをムシロにひろげます。私はムシロを使わずに、画像の様なセメントコネ器(プラフネ)を使っています。
 左画像・セメントコネ器(通称・プラフネ)
適当に水の切れた灰(完全に切れなくても平気です)をプラフネに入れます。
※ポイントですが、最初はいじらず1日ほど待つ、するとだんだん乾いてきますので、応じてかたまりを割って砕き細かくしていきます。
※洗った灰が乾くのには時間がかかります。炉分(10kgほど)で半月くらいかかるかもしれませんので、開炉時期を考えて行ってください

つぎに、乾かしながら【炉灰】や、【風炉灰】に仕立ていきます。
乾かしながらそれぞれの灰に仕立てます。
下記ページをご参照ください
【 炉灰・しめし灰の仕立 】
【 風炉灰の仕立 】

※風炉灰にする時は、本当によく乾かさないと篩が詰まって篩えませんのでご注意ください
灰を【篩い】【洗い】【干す】だけですがなかなか大変です。夏にしないと進みません。がんばって夏にやりましょう!
ここまで作業しただけで【灰】にかなりの愛着がでて来ます♪大変ですが、楽しんでください!

次は【 炉灰・しめし灰の仕立 】 / 【 風炉灰の仕立 】
※【灰の循環】という考え
茶道の灰は、炉を使い、その炉灰を篩い、風炉灰を作り、風炉灰の一部がまた炉に返る。【灰の循環】という考えがあります。【灰のこと】ページにございますので、ご参考まで

ご参考に 【 灰用の工具 】
私の工具です。
漬物樽30ℓ
 ⇒10kg程の灰洗いに使います
プラフネ(タライ舟) ※画像は↑上に掲載
 ⇒灰を乾かしたり、篩ったりに便利です
ムシロ、シャベル、乳鉢7寸
篩い(Noはメッシュ)
汎用に(ステン枠、裏漉器)
 No20、No30、No40、No50、No65
炉の仕上げ用(裏漉器)
 No7、No9、No12
風炉の仕上げ用(木曲21㎝)
 No60、No80、No100
用途別に篩いを使い分けます。
篩いは、いろいろ使っておりますが、網の交換できるタイプは本来は裏漉し用で【ワンタッチ裏漉し器】で販売されています。ネットでも、東京ですと「かっぱ橋」などでも探せます。また、No65以上の風炉用の灰篩い(画像木枠)は、陶芸資材店で販売されている釉薬作り用の篩が使い良いですよ

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